2008年03月28日

「札幌市」1927年3月28日の詩・宮沢賢治  

MoonLight&TailLight 2.jpg
「MoonLight&TailLight」 ・2008年 03月 23日 ラクダさん撮影

 一〇一九 

   札幌市
                  一九二七、三、廿八、

   遠くなだれる灰光と

   貨物列車のふるひのなかで

   わたくしは湧きあがるかなしさを

   きれぎれ青い神話に変へて

   開拓紀念の楡の広場に

   力いっぱい撒いたけれども

   小鳥はそれを啄まなかった

    宮沢賢治 詩「札幌市」・1927・3・28
 

この作品はその4年ほど前に、傷心(妹の死)の北海道旅行の時のスケッチと思われます。
賢治の心象スケッチは、「眼前の」現象に対する自分の反応をスケッチしたものではなくて、過去の記憶を心の中で反芻して、生まれてくるものでした。

1927年3月28日という日の賢治は、終日一人で家の中にいて、読書をしたり思索にふけったりしていたのではないでしょうか。
他にも 数点の作品を書いております。

4年前の妹トシの死にまつわる感情を、この「札幌市」という作品において、「青い神話」として行き着いたはないでしょうか。

「札幌市」と題する賢治のこの詩は、札幌・大通西6丁目の大通公園に、「開拓紀念碑」と刻まれ、大きな石碑がそそり立っています。

MoonLight&TailLight 1.jpg
「MoonLight&TailLight」 ・2008年 03月 23日 ラクダさん撮影



札幌市
                  一九二七、三、廿八、
   遠くなだれる灰光と
   貨物列車のふるひのなかで
   わたくしは湧きあがるかなしさを
   青い神話のきれにして
   開拓紀念の石碑の下に
   力いっぱい撒いたけれども
   小鳥はそれを啄まなかった      前の草稿形態 一  


  


札幌市
                  一九二七、三、廿八、
     遠くなだれる灰光のそらと
   歪んだ町の広場のなかで
   わたくしは 湧きあがるかなしさを
   青い神話としてまきちらしたけれども
   小鳥らはそれを啄まなかった       前の草稿形態 二



 〔遠くなだれる灰いろのそらと〕
                       三、廿八、
   遠くなだれる灰いろのそらと
   歪んだ町の広場のなかに
   わたくしはこみあげるかなしさを
   青い神話としてまきちらしたけれども
   小鳥らはそれを啄まなかった       前の草稿形態 三



「札幌市」の作品の草稿は4編も見つかっています。

賢治さんの真面目な人柄が垣間見られるような思いがしますね。

4編の草稿は「宮沢賢治の詩の世界」から引用いたしました。


イメージ写真は「盛岡心情」を運営されているらくださんからお借りしました


開拓精神イメージソング 中島みゆき ヘッドライト・テールライト http://www.youtube.com/watch?v=vYETOse2m88&feature=related

posted by mari at 09:58| 岩手 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 宮沢賢治作品とイーハトーブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「夜汽車の窓辺から」


走り去る 夜汽車の窓辺から

見ゆる景色は 流るる

その灯は 小さくて小さくて
 
物悲しさを 僕に伝えてくれる



一抹の悲しさを 僕に投げ掛ける

墨を落としたような 真っ暗な世界に

吸いこまれそうに 呑まれそうになる

沈黙は 無限に

ただ 汽車の音だけが波を打つ


 
Posted by ひろ at 2008年03月28日 19:46
ひろさん
何と 裏悲しい情景でしょう!
毎月こんな生活を送っていた 学生時代を思い出してちょっぴりウルウル・・・

本当にこんな心境でした・・・

Posted by 夏つばき at 2008年03月29日 09:43
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